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つながる社会の未来をつくる ~自動運転を支える車載カメラのコネクタ~

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2022.06.10

コラム

自動運転やコネクテッドカーなど、ますます進化する自動車技術。なかでも近年需要が増えているのが車載カメラです。車載カメラの活用はドライブレコーダーにとどまらず、自動運転に不可欠な監視システムなど、さまざまな用途に広がっていますが、そのカメラとクルマを「つなぐ」のが山一電機のコネクタです。

今回は車載カメラモジュールコネクタの設計開発を担う、入社11年目CN第1技術部の伊藤さんに、高速で鮮明なカメラ通信を支えるコネクタ開発の魅力についてお聞きしました。

車載カメラとクルマをつなぐ、山一電機のコネクタ

――現在の仕事内容について教えてください

 

伊藤:「車載カメラモジュールコネクタ」や「車載インターフェースコネクタ」など、車載専用コネクタの設計を担当しています。既存製品をお客さまのご要望にあわせてカスタマイズしたり、新製品開発にも取り組んでいます。

 

――車載カメラモジュールコネクタとはどんな製品ですか?

 

伊藤:車載カメラモジュールコネクタは、車載カメラとクルマとをつなぐ重要なコネクタ部品です。車載カメラといえば、すぐに思い浮かぶのはドライブレコーダーですが、その他にも車の後方を映し出すバックカメラや、サイドミラーのカメラとしても使われています。

ここ数年で、自動運転の普及や事故防止の観点から、DMS(ドライバーモニタリングシステム)が注目されています。DMSは体調不良やよそ見など、ドライバーの状態を車載カメラで監視するシステムです。DMSではドライバーの変化を精度よく検出するため、より高性能なカメラが必要とされていて、コネクタへの要求性能も厳しくなっています。

 

――コネクタの性能がカメラの性能を大きく左右するのですね

 

伊藤:はい。カメラ本体の性能が良くても、コネクタの伝送速度(信号を送る速度)が遅いと、カメラ本来の性能を発揮することができません。映像の信頼性を高めるためにも、車載カメラメーカーとも綿密な打ち合わせを重ねながら、コネクタの設計開発をしています。

飽くなき追求、高速化と小型化の両立を目指して

――設計開発のなかでも難しいところはどこですか?

 

伊藤:自動車の高機能化が進むにつれて、搭載機器も増えています。しかしスペースは限られてるため、車載カメラの小型化が進んでおり、コネクタにも小型化が求められています。

実は、コネクタの「高速化」と「小型化」は、両立が難しい要素です。通信を高速化しようとすると、信号を通すコンタクトを大きくする必要があり、必然的にコネクタのサイズも大きくなってしまいます。
一方で、コネクタを小型化しようとすると、機械的な制約から高速化を実現できません。この「高速化」と「小型化」のバランスを取っていくのが、開発の難しいところです。

 

――開発にあたりどのような工夫をされていますか?

 

伊藤:コネクタ開発において、山一電機が特に力を入れて取り組んでいるのが高速伝送です。インピーダンスがフラットになるように調整をしながら、伝送特性のシミュレーションを繰り返し行うことで、要求仕様や用途にあわせ、どこまで小型化と高速化を実現できるかを追求しています。

※インピーダンスとは:インピーダンスは電流の流れにくさを表す量のこと。コネクタの伝送速度を高速化するためには、出力側と入力側のインピーダンスの差を少なくする必要がある

ゼロからの挑戦!海外のEV自動車メーカーにも採用

――学生時代の専攻分野について教えてください

 

伊藤:大学では、光・画像工学を専攻していて、画像処理などを専門に研究していました。3Dモデルはもちろん、図面も描いたことがなく、機械設計は未知の分野でしたが、自分のアイデアが実際に製品として形になる「ものづくり」がしたくて山一電機を選びました。

 

――ゼロからの挑戦ですが、どのように乗り越えたのですか?

 

伊藤:入社して機械設計に携わることになり、はじめは何もわからずに戸惑いましたが、わからないことは同じ課の先輩方が丁寧に教えてくれました。1年目は先輩の担当する製品の評価試験や図面変更を任せてもらいながら少しずつ業務に慣れ、3年目には、周りのサポートを受けながらもひとりで製品を担当できるレベルに成長できました。
今では、自分が一から考えた製品の3Dモデルを作ったり、機械シミュレーションを行ったり、後輩に教えることもあります。

 

――はじめて開発に携わった製品は?

 

伊藤:はじめて担当した製品は、車載カーナビ向けのSIMカードコネクタです。車内のフロントパネルに搭載される重要な部品で、自動車メーカーに採用されました。開発は、海外支社の日本人スタッフを交えて、密に情報共有をしながら進め、苦労しながらも何とか製品化することができました。
コネクタ設計は学生時代に学んでいた分野とは大きく異なりますが、評価方法の検討や設計への反映など、学生時代に繰り返し実験レポートを書きながら研究に取り組んでいたことが役に立ちました。

コネクタを搭載したクルマが街中を走る、開発の魅力とは

――伊藤さんからみた、コネクタ開発の魅力について教えてください

 

伊藤:コネクタ設計開発の一番の醍醐味は、自分が構想・設計した製品が手元に届き、それが期待通りの性能を出してくれたときです。現在担当している車載カメラの市場は、自動運転やIoT・5Gの普及によりどんどん拡大しています。自動車メーカーだけでなくさまざまなメーカーが開発に力を入れている領域です。自分が開発したコネクタを搭載したクルマが、街中を走ることを楽しみにしています。

 

―― 今後のご自身の目標について教えてください

 

伊藤:今、開発の現場には最新の装置が次々と導入されています。例えば、3Dプリンタで精密な試作部品を制作したり、X線装置で製品の構造を調べ、不具合の原因を分析したり。山一電機には、新しいことにチャレンジできる環境があります。
最近は、導入された最新の装置を使いこなせるようになるのが目標で、日々勉強し続けています。今後も新しいことにチャレンジして自分のスキルを広げ、それを設計業務に生かしたいと考えています。また、私が培ってきた技術や経験を後輩に伝えていくのも目標のひとつです。

取材後記

所属する課内や部署間だけでなく、「協力会社とのコミュニケーション」も大切にしている伊藤さん。はじめての車載カメラモジュールコネクタ(4芯作動コネクタ)の開発では、協力会社との連携により何度も試作や評価を重ね、製品化に成功したといいます。ゼロからの挑戦で、周囲のサポートを受けながら成長してきた伊藤さんだからこそ実現できた成果です。わからないことが聞きやすく、教えあえる会社文化こそが、世界に羽ばたく山一電機の製品のヒミツかもしれません。

プロフィール

伊藤 大裕
CN第1技術部 CN技術1課
※所属・内容などは取材当時のものです

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