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バーンインソケットとは?~私たちの快適な暮らしを支える“検査用ICソケット”~

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2022.02.14

コラム

パソコン・スマートフォンはもちろん、家電から自動車まであらゆる生活必需品に使われている半導体。今や品質の高い半導体が、私たちの快適な暮らしと安全を支えているといっても過言ではありません。

半導体製造にはおよそ400〜600 もの工程があり、その工程を通してさまざまな検査が行われていますが、なかでも半導体の最終検査で活躍しているのが“世界トップクラスのシェア”を誇る山一電機の「ICソケット」です。

半導体の品質向上がますます求められるなか、ICソケットは半導体の品質を左右する重要な役割を担っているのです。

そもそも検査用ICソケットってなに?

 

半導体の検査工程は大きく、前工程で行われるウェーハ検査と、後工程で行われる完成品検査に分けることができます。

ICソケットはそのなかでも後工程のIC検査で使われる治具(固定用ツール )で、「検査用ICソケット」や「半導体検査用ソケット」とも呼ばれています。

ICソケットにはIC(半導体パッケージ)と検査装置とをつなぐ役割があり、ICソケットを使うことで、ICをプリント基板に実装(はんだ付け )することなく検査することができるのです。

※半導体パッケージとは?

半導体パッケージは、ICチップ全体を樹脂で包むことで保護し、基板へのはんだ付けや組み立てを容易にします。用途に合わせてさまざまな規格・形状があります。

検査用ICソケットの種類を知る

検査用ICソケットには、半導体のバーンインテスト(温度と電圧の負荷試験)で使われる「バーンインソケット」と、製品検査で使われる「テストソケット」の2種類があります。

これらの半導体検査は繰り返し行われるため、ICを簡単に抜き差しすることができるICソケットが重要な役割を果たしています。

バーンインソケット

バーンインソケットはバーンインテスト用のICソケットで、多くの場合は検査基板(バーンインボード)上にICを装着するために使われます。

バーンインテストでは高温環境下で温度と電圧ストレスをかけることで、半導体の品質を検査します。

高温環境下で繰り返し使われるバーンインソケットには、高い耐久性と作業性が求められます。

バーンインソケットに求められること

  • ICと検査基板を安定してつなぐ接触技術
  • 高温環境下で繰り返す 耐久性
  • 量産ラインでの作業性

テストソケット

テストソケットは製品検査用のICソケットで、検査装置上にICを装着するために使われます。

テストでは半導体の電気的特性を検査し、最終製品の機能や不良がないかをチェックします。

なぜ必要?バーンインソケットを使った「バーンインテスト」の目的

バーンインテストは、半導体製造の最終工程で行われる「温度電圧試験」です。

検査基板上のバーンインソケットに複数のICをセットし、125℃~180℃の高温環境下で数時間ほど温度・電圧の負荷をかけて、初期不良をスクリーニング(ふるい分け)します。

バーンインテストには、①信頼性向上 と ②歩留まり向上 の2つの目的があります。

目的①バーンインテストによる半導体の信頼性向上

バーンインテストによってわざと初期不良を起こし、市場への不良品流出を未然に防止します。

車載向け半導体や航空宇宙・社会インフラなど、高い信頼性が求められる半導体の検査で行われます。

目的 ②バーンインテストによる半導体の歩留まり向上

バーンインテストによって、ICの良品・不良品を選別します。

歩留まり(良品の割合)が低いパソコン・スマートフォン・家電などの半導体メモリや、電力の供給・制御を行うパワー半導体の検査で行われます。

バーンインソケットのこれから!半導体のトレンドとニーズ

ICの品質向上になくてはならないバーンインソケットですが、半導体の増産とともにその需要も急拡大。

特に技術革新が目覚ましい自動車やITの分野では、バーンインソケットのニーズも多様化しています。

自動車の革新とバーンインソケット

自動車業界では「CASE」といわれる技術革新にともない、これまで以上に高性能な半導体の開発が進められています。

これら車載向け半導体の不良は大きな事故にもつながるため、厳しい条件下でのバーンインテストが欠かせません。

そのためバーンインテストを支えるバーンインソケットにも、より高い耐久性が求められています。

 

※CASEとは?

Connected(つながる)/Autonomous・Automated(自動化)/Shared(シェア)/Electric(電動化)の頭文字をとった造語。

IT化とバーンインソケット

あらゆるモノがインターネットでつながるIoTや、高速通信の5G(第5世代移動通信システム)の普及にともない、半導体メモリの高速化・大容量化が進んでいます 。

2020年代には本格的なデジタル社会の到来で、500億台のITデバイスが インターネットにつながるといわれており、半導体の検査需要もますます増加。

半導体の量産ラインに合わせ、自動化に対応したより作業性の高いバーンインソケットが求められています。

世界の半導体製造を支える、豊富なバーンインソケットなら

バーンインソケットのニーズが多様化するなか、山一電機では13,000種類にも及ぶ半導体に合わせて、さまざまなバーンインソケットを開発。

検査装置とICを“確実につなぐ”高い接触技術で、世界の半導体の品質向上を陰で支えています。

 

少量多品種のバーンインソケットから、特殊ICに対応したカスタムメイドのバーンインソケットまで、半導体のテストソリューションでお困りでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。

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